はじめてのおつかいの見どころと感想

作: 筒井 頼子  
絵: 林 明子

出版社: 福音館書店

発行年: 1977年

対象年齢:3歳~ 一人で読むなら5歳~
ページ数:32ページ

主人公は5歳の女の子のみいちゃん。
赤ちゃんのお世話で忙しいお母さんに代わって、みいちゃんはおつかいを頼まれて牛乳を買いに、はじめて一人でお出かけします。
お姉ちゃんになった小さい女の子のドキドキな不安と責任感、成長を優しく描いた作品です。

購入された読者の親御さんからもたいへん好評があり、図書館や幼稚園で行う読み聞かせの時も、どの子も真剣にお話を聞いているそうです。
ただ話を聞いているというよりも、自分も主人公の女の子と同じ気持ちになって感情移入して自分のことの様に聞いてしまうのかもしれません。

読み手も母親の気持ちで読んでしまうので、みいちゃんのがんばりに目頭が熱くなるという声もお聞きします。

こうやって一つずつ成長するためのいろんな経験をしていって、子どもは心も身体も大きくなっていくのでしょうね。

小さな子どもにとって、はじめてのおつかいは大冒険!

たった一人で道に迷わない様にお店に行って、たくさんの商品の中から頼まれた物を探し出し、お店の人に声をかけてお金を払って、おつりを受け取って、迷子にならない様に家に帰る。

おつかいの道中で転んだり、お金を落としてしまったり、声をかけても店員さんになかなか気づいてもらえなかったりと、小さい子にありがちなアクシデントも上手く描かれているなと思いました。
また、みいちゃんの表情の変化、子どもの足では近所のお店でも遠く感じること、大人が巨人の様に大きく感じることなど、終始子ども目線で描かれているので、読み手は親目線で聞き手は自分のことの様に物語に入り込めるので、親子で楽しめる作品だと思います。

出典:福音館書店 作: 筒井 頼子 絵: 林 明子

おつかい中はひとりですが、周りのみんなが優しく見守ってくれているところ、お店の人も優しく対応してくれるところは、見ていてとても好感が持てました。
小さな子どもたちの心に寄り添う絵本だなと感じました。

このご時世なので、絵本の様に小さな子を一人でおつかいに出すことは難しいですが、みいちゃんの一生懸命頑張る姿は、お子さんが成長していくうえで、きっと勇気や力を与えてくれると思います。

少し勇気を持てば、不安や緊張があっても、きっとうまくいく!
読んでみて、そんな事を教えてくれている様な気がしました。

お手伝いに興味を持ち始めたお子さんや、これからはじめてのことを経験する子に、ぜひ読んでいただきたいオススメの1冊です。

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