作: 瀬田 貞二
絵: 林 明子
出版社:福音館書店
発行年:1979年
対象年齢:4歳~
ページ数:32P
見どころと感想
朝、学校に行く主人公「まみこ」がお母さんに残した階段の上の赤いひもで結ばれた手紙。
手紙を読むと向かう場所が示されていて、その場所には、また手紙、その手紙の次の目的地にも手紙と家の中には何枚も手紙が置かれています。
次々と手紙を見つけていったお母さんが最後に見つけたものとは!というストーリーになっています。
物語全体の構成が非常に良く、手紙からの宝探しを通じて子供から両親に対するプレゼント、両親から子供に対するプレゼントといった物語の筋書きをつなぎ、上手く締めくくっているなと感じました。

主人公の女の子が家中に仕掛けた手紙は最後まで見つけると両親に対する素敵なお祝い「プレゼント」となっていて、読み手にとってもクイズや謎解きの様な感覚が味わえ、絵本のお母さんと一緒に謎を探したり、解いていく楽しみ方も出来ます。
謎解きの内容は簡単に見つからないような工夫もしてあり、細部までこだわって作り込まれている為、読み聞かせの幅が広く、物語の主人公は女の子ですが、男の子にも読み聞かせにオススメの絵本になっています。
物語の内容、クイズを解く楽しみから、飽きずに聞いてくれやすいし、読み続けられると思います。
何より女の子の両親を喜ばせようとする気持ちと子供らしいアイデアが親目線からしても目が潤みます。
親子の間に流れる温かい心遣いを描いた素晴らしい作品であり、親子の絆を深めるための読み聞かせにピッタリのお話だと思います。
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人の為に何かをしてあげたい気持ちを育むことは、これから対人関係を築いていくために必要で大事なことです。
お子さんが成長していく上で、大切な事を分かりやすく伝えた素晴らしい作品です。
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