そらまめくんのベッドの見どころと感想

作・絵: なかや みわ

出版社: 福音館書店

発行年: 1999年

対象年齢:3歳~ 1人で読むなら5歳~
ページ数:28ページ

みどころと感想

そらまめくんの宝物はふわふわのベッド、自分だけのベッドなので、だれにも貸してあげないところから物語が始まります。

毎日使うお気に入りのベッドなのですが、そのベッドが突然なくなってしまいます。
ベッドを貸してもらえなかった仲間たちは当然、冷ややかな態度ですが、物語が進むにつれて、そらまめくんが思いやりの優しさを持つようになり、いっしょにさがしてくれるようになります。
最後はみんなで仲良く、そらまめくんのベッドで眠るといった心温まる作品です。

最大のみどころ

この絵本の最大の見どころは、人や生き物に対しての優しさと思いやりを学べるところだと感じました。

主人公のそらまめくんは、まだ子どもなので、感情移入して読めるし、親近感がわいて、自分も人に優しくしなくてはいけないという温かな心が自然と身についていくことと思います。

出典:福音館書店 作・絵: なかや みわ

また「かして」「だめ」「いいよ」って言葉、友達を想い合うこと、譲り合うことの大切さを学べます。

この3つの言葉って、小さな子が保育所や幼稚園でお友達を作るきっかけになる大事なものだと私は思っていて、仲良くなるはじめの一歩ですよね。

子どもたちが社会に出ていくために大事なことを絵本を通して楽しく学べる、そんな一冊だと思います。

辛抱する、がまんすることの大切さも学べる

そらまめくんは、無くした大切なベッドが鳥の卵をあたためるための巣に使われていることを知り、ひな鳥達が卵から孵化するまで貸してあげることにします。
鳥の卵が孵化まで、辛抱強く見守り、ひよこ達の為にずっと我慢する姿を見て、子どもたちはきっと辛抱すること、がまんすることを覚えていけると思います。

周りのみんなにも優しくできるようになって自分の宝物であるふわふわのベッドに自ら招待したそらまめくんは、もう立派な大人だなと感じました。
独り占めはよくないこと、人に思いやりを持つこと、時にはがまんすること、みんなと仲良くなるきっかけと成長を教えてくれる名作絵本です。

シリーズ関連作品

この作品は、シリーズ化されていて、いくつか続編があります。
その中でも特に人気なものをオススメしたいと思います。

2作目は迷子のめだかの子どもと出会うお話です。
そらまめくんたちが、雨で広場に出来た水たまりで遊んでいると、迷子のめだかのこに会いました。お母さんのいる川に帰るために、そらまめくんたちは、知恵を絞って考えます。
ひらめいたのは、そらまめくんのベッドにめだかくんを乗せて川まで運ぶという作戦でした。

自分が遊ぶのにはベッドを濡らしたくないそらまめくんですが、めだかくんを川まで帰すためには自主的に「ぼくのベッドをつかおう!」とベッドを貸してあげます。
困っている人がいれば、自ら進んで助けてあげるところに前作からの成長が見えます。

そらまめくんシリーズは自然な流れで、お友達を思いやる気持ちが育まれるのが凄いところです。

「やっぱり ぼくの ベッドがいちばんさ」というおなじみのセリフが聞けるのも嬉しいポイントです。

ちなみに私のお気に入りのシーンは、めだかくんを無事に川まで運んだ後に自慢のベッドがびしょびしょになり、乾くまで木の葉っぱで寝ることになっても、満足げに寝ているところです。

例え自分が損をすることがあっても人助けによって起こったことなら、気にならないという思いやりの大切さをスッと教えてくれる素敵なシーンだなと感じました。

ふわふわベットがご自慢でおなじみのそらまめくんの3作目です。
今回は、そらまめくんと豆の仲間達が楽しく遊んで過ごす一日が最後まで描かれていて、全体的にほのぼのとする内容になっています。

今まで同様に色鉛筆で描かれた自然の描写や鮮やかな色彩が美しく、その世界観・キャラクターの魅力が存分に伝わります。

それぞれの豆のお家に遊びに行ったり、お話の流れで、ほしくさのタオルでかおをふく、どんぐりコップで朝つゆを飲んだりなど、豆たちの生活も細かく描かれていて、ファンタジー性がより高くなっている様に感じました。

豆によって、家の形が描き分けてあったり、色んな豆が出てくるので、お子さんの食育にも役立つと思います。

シリーズを通して、はじめは自己中心的なところがあった主人公のそらまめくんが思いやりのある優しい子に成長していく姿は、子どもたちも良い影響を受けているとの口コミが多く、兄妹がいる家庭では「上の子が下の子の面倒を見てくれるようになった」や、独占欲の強かった子が「友達におやつを半分こできたり、自分のおもちゃを貸してあげられるようになった」など、そらまめくんと同じように成長する姿を見れたという声を耳にするようになりました。

この作品はシリーズを通して読むことで、一緒に成長していける作品だと思うので、親子で読む絵本として、ぜひ手に取って読んであげてください(^^♪

コメント

タイトルとURLをコピーしました