作:(ウクライナ民話)
絵: エウゲーニー・M・ラチョフ
訳: 内田 莉莎子
出版社: 福音館書店
発行年:1965年
対象年齢:3歳~ 一人で読むなら小学生~
ページ数:16ページ
見どころと感想
おじいさんが落としていった手袋を森の動物たちがお家にして次々に同居の居候を始めるお話です。
動物たちがやって来るたびに「中にいるのは誰?」と確認し、手袋の中にいる動物はそれぞれ名前を名乗ります。そして「入れて?」「どうぞ!」を繰り返していきます。
お話が進むにつれて、だんだん大きな動物たちがやって来るので手袋の中に入りきれるのかどうかハラハラする気持ちと、はしごが付いたり窓が付いたり、屋根が出来たりと手袋が本当のお家らしく改装されていくのを見るのも楽しい作品です。
手袋の中に入ってくる動物たちは、たくさんの種類がいて、お子さんが動物の見た目と名前を覚えるのにも良いです。
ねずみ、かえる、うさぎと最初は小さな生き物ですが、きつね、いのしし、オオカミ、最後にはクマと手袋の中には絶対に入らないと思える動物も入っちゃうところが絵本の楽しいところです。

改装されていく手袋には煙突も付いて煙が出ているので、「動物たちは、どうやって入っているのだろう。」「手袋の中には暖炉があって暖かいのかな。」といった想像力を膨らませるのも飽きずに繰り返し読んで楽しめるポイントです。
お子さんがこの絵本を読んだ後、手さげ袋やスーパーの袋などの中に自分の頭を入れてみたり、脚から全身を入れてみようと試す子もいるそうで、思わずクスリと笑える姿も見れるかもしれません。
そういった姿や寒い冬に読んでも、心と体がほっこり温かくなる絵本だと思います。
てぶくろの中がどうなっているか最後まで描かれていないところも、「てぶくろの中が見てみたい!」「みんなが暮らしている様子をのぞいてみたい!」と興味をそそって夢中になる、想像力を働かせるので、小さいうちから考える力をつけるのにも適した素晴らしい作品だと思います。
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