発行されてから50年経っても、今もずっと愛され続けている絵本です。
しろくまちゃんがお母さんと一緒にホットケーキを作る過程をお話にしたシンプルな作品なのですが、これがとっても面白い!!
絵本のタイトル:しろくまちゃんのほっとけーき
作:わかやま けん
出版社:こぐま社
発行年:1972年
対象年齢:1歳~
ページ数:22ページ
見どころと感想
ホットケーキが焼けていく様子を、見開きいっぱいで描いていてフライパンに流し込んだときの「ぽたぽた」という音や「ぷつぷつ」「ふつふつ」といった実際にホットケーキが焼けていく時の擬音が実際に料理しているかのような感覚に陥るのが人気の秘訣の様です。
擬音が本物さながらで忠実に再現されている為、子供たちに分かりやすく、実際に料理をした時に楽しみが倍増するところも、この絵本ならでは。

また、2歳以下の小さい子でも楽しめる様に、はっきりした絵の色ばかりで構成されており、明るいオレンジを基調としているので、見やすく分かりやすい様で反応が良い様です。
そして、この絵本最大の特徴は、ホットケーキを流し込んで焼きあがるまでを音とリズムで細かくストーリーにしているところです。
レシピ本の様に丁寧に作る工程を書いているので、読むだけでも楽しいのですが、なんと絵本を読みながら実際にホットケーキが作れちゃうんです。
3歳以上の子どもには、これが大好評の様で、親子で最初に作った料理がホットケーキで、絵本を見ながら一緒に作ったという声が圧倒的に多いです。
実際に焼けていく様子と絵本を交互に指差して反応を楽しんだり、ぷつぷつ、ふくふくといった擬音が、焼いているホットケーキでも同じことが起こることで、音や状態に興味を持ち、焼けていく工程も絵本の中と現実の出来事が一緒になることで感動の一瞬を味わえます。
このことが実際にホットケーキを作る時の楽しさを倍増させている様で、絵本を読むたびにホットケーキ作りたい!と、お子さんは、ねだる様なので、材料を常備しておく必要があることが、ご両親にはデメリットかもしれません(笑)
物を分け合う心が育まれ、後片付けが出来る子に育つ
絵本の中では、出来上がったホットケーキを独り占めせず、仲良く分け合って食べる姿や食べ終わった後に一緒に後片付けをする姿が描かれているので、物を分け合う心を覚えた、きちんと後片付けが出来る子になったと好評です。
普段は言っても聞かない子でも、「しろくまちゃんは○○(お子さんの名前)より小さいのに、きちんとお片付けしているよ」と言うのがポイントだそうですよ(笑)
特に幼少期の頃は、友人が出来たり弟や妹が出来ることで、物を半分こして分け合う、遊んだ後に片付けることを覚えなければならないことです。
この絵本を読めば、みんなで食べる美味しさや自分で作る楽しさだけでなく、こういった人と分け合い共感する喜び、自分でしたことは後片付けをするといった教育にも役立ちます。
他にも絵本の中で、こぐまちゃんが卵を落としてしまったり、かき混ぜるのが上手くいかなかったり失敗する所もあるので、こぐまちゃんと同じ失敗をしない様に考え、物事に集中する力も付くと思います。
子どもがはじめて出会うおともだち、そんな絵本をつくりたいと製作者たちが真剣に考えながらつくったと言われている「こぐまちゃん」シリーズ。
その想いの通り、今も昔も、そしてこれからも子どもたちに、ずっと寄り添える素晴らしい作品です。
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