作者の絵の描き方とセリフ回しが大好評の絵本です。男の子が自分から進んでお風呂に入るまでと自分で頭を洗うシーンから自主性が養われる温かみのある作品です。

文: 松谷 みよ子
絵: いわさき ちひろ
出版社: 童心社
発行年: 1970年
対象年齢:乳幼児~
ページ数:20ページ
見どころと感想
いわさきちひろさんが描くはだかの男の子のシーンが、幼い子のしぐさや動きの愛らしさを見事に表現されていて、お風呂に早く入りたくて急いでいる一生懸命な子供のかわいらしい様子がとても伝わります。
絵本の中にある一つ一つの挿絵や雰囲気にあたたかみがあり、はだかの男の子の幼い時期しか持ってない肌のぷにぷに感やすべすべ感、余白や淡い絵の具が滲んでぼやけた様な描写や絵の輪郭がお風呂のイメージとぴったりで非常にマッチしています。
読んでいて難しい言葉や長い文章もなく、ページ数も20ページほどなので、最後まで飽きずに読みやすいのも魅力です。
お風呂嫌いの子でもお風呂に行きたくなる魔法がたくさん入っている
男の子をお風呂に誘うアヒルさんの話術が素晴らしく、男の子に対してお風呂に行く表現をいいところに行く。と楽しそうに伝えたり、裸になったら「わーい」と喜んだり、洗髪中はキューピーさんなどシャンプーの泡で髪の形を変えて遊びながら本当に楽しそうにシャワーをしています。

こんなにお風呂は楽しいものだと言っている様な描き方をされると、お風呂嫌いなお子さんでも一緒にお風呂に入れる様になる感じがします。
絵本ではキューピーさんですが、クワガタにしたり、うさぎにしたり、お子さんが好きな動物やアニメのキャラクターにするなどアレンジを加えてあげると、より楽しめると思います。
この絵本を何度も読んであげてから、お風呂に誘う時に、絵本のアヒルさんと同じように「お風呂はいいとこ、いいとこ」やお風呂でキューピーちゃんしに行こうなど言って、ぜひお子さんをお風呂に誘ってあげてみてください。
親子で絵本を読むのも、お風呂でスキンシップをとるのにも大活躍するお子さんの読み聞かせにオススメの1冊です。
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