雪が降り積もった日に雪遊びをしたうさこちゃんの1日を描いた作品です。
この作品では、うさこちゃんが相手にしてあげた優しさ、それをほめてくれる両親の優しさも描かれています。

作・絵: ディック・ブルーナ
訳: いしい ももこ
出版社: 福音館書店
発行年:1964年
対象年齢:2、3歳~
ページ数:28ページ
見どころと感想
雪が降り積もった辺り一面銀世界の日に、うさこちゃんがお外で雪遊びを満喫するお話です。
そりで滑ったり、スケートをしたり、大きな雪だるまを作ったり、積雪した日の雪遊びでしか体験できないことがたくさん紹介されています。
この絵本のお話でのうさこちゃんは、とってもしっかり者で描かれていて、寒い外で遊ぶので帽子をかぶり、マフラーをして、手袋と長靴も履いて防寒対策バッチリで「気をつけて遊んでくるわ」とお母さんに言ってから外に出かけます。
自ら進んで防寒対策をしっかりして、雪の日は滑って転んだり、ぶつかってケガする危険があるから自覚し、自分から親に安心感を与えてから出かけるといった自主性と危機管理を教養として学べると思います。
お子さんから見て自分と同じくらいの年頃の小さいうさこちゃんがここまでしっかりできているという姿を見たら、自分も出来ると感じてくれるし、自ら実行し、それが自然と身についていくと思います。
しっかり者のうえに相手に寄り添える優しさがある!
雪遊びを満喫していると1羽の小鳥に出会います。
小鳥は寒さで凍えて泣いていたので、お父さんからハンマー「金槌」と材木を借りて、1日がかりで小鳥のお家を作ってあげます。
まだまだ遊び足りないのに、小鳥のために自分のできることをしてあげるうさこちゃん。

材料を持たせ手を貸さずに優しく見守るお父さん、人のために頑張ったうさこちゃんを心からほめてあげるお母さん。
雪遊びしてただ楽しい、嬉しいだけの日常を描いているのではなくて、お子さんには困っている人がいたら自分の出来る範囲のことで精一杯助けてあげることを学び、両親には子どもの自主性や成長を見守る大切さと正しいことをした時は最大限にほめてあげることを教えてくれる絵本です。
そして泣いている小鳥に対して、もらい泣きし一緒に泣くうさこちゃんの優しさ、人に寄り添う心の教養も学べます。
雪が積もった寒い1日のお話ですが、心は晴れわたり、とても温かくなる素敵な作品です。
コメント